「………」
「………。」
今日はいい天気だ。
「………」
「………。」
ああ、風が気持ちいいなぁ…
「…てゆうか、暑いなぁ…」
「…暑いですね。」
そんなわけで、せっかくの休日を二人でだらだら過ごしている。
いや、セリオはちゃんとメイド服を着こんで座っているから、ダレてるのは僕だけか…
それにしてもさ…
「セリオ、その服暑くない?」
「……はい、これは夏用ですから暑くはありません。」
その割には「間」があいたな。それに夏用といったって、ある程度丈夫でないといけない服だし…
「…本当に暑くない?」
「…はい、暑くありません。」
「本当に?」
「はい。暑くありません。」
「……でも本当は暑いでしょ」
「……ちょっと…暑いです。」
そう言ってちょっとうつむくセリオ。
でもその角度だと、寝転んでる僕からはほのかに染まった頬が丸見えで…ああっ(笑)
「よし、セリオ。服買いに行こう」
「えっ?で、ですが…よろしいのですか?」
いきなりそんな事を言い出す僕に、セリオがすまなそうに聴いてくる。
「うん、見てるこっちも暑いし…それにセリオは他の服着た事無いじゃない」
「ですが、私はメイド…」
「…そう言うことはいいっこなし。こうゆう時は「ありがとう」だよ」
そんな事を言い出すセリオの口をやさしく手で押さえながら僕は言った。
「…はい、ありがとうございます、マスター。」
とは言っても、そんなにいい服を買ってやれる訳でもないので、僕達は今、近所のスーパーの衣料品売り場にいる。
ざっと見て回って値段を把握してから、セリオに予算を渡す。
「じゃ、適当に2,3着見繕ってきなよ。靴とかもそろえていいからね」
「はい、あの…」
「シンプルなのがいいな。僕は隣の本屋にいるから」
「…はい、わかりました。」
そう言って売り場に戻っていくセリオ。心なしか、足取りが軽く見えるのは…考え過ぎか。
「…お待たせしました、マスター。」
しばらくして、そう声をかけられた。
「うん、はやかった……ね」
そう言って振り返った僕は、今読んでいた本のセリフを心の中で叫んでいた。
『すばらしい!ディ・モールト!(非常に)いい!』、と。
セリオの服装は、白いワンピースに白いサンダル(っていうのか?)という、いたってシンプルな物だった。
だがそれだけに清楚というか、何というか…もう、いいなぁ!
「いかがでしょうか?マスター。」
そう言って、くるっと回って見せてくれたりして…
「…う、うん。とっても似合ってるよ」
僕にはそれしか言えなかった。
「本当にすみません、マスター。」
帰り道、セリオがそう話しかけてくる。
「いいよ、そんな。こっちがお礼を言いたいくらいなんだからさ」
「ですが…」
「いったでしょ。こうゆう時は、「ありがとう」だよ」
「…はい、ありがとうございます、マスター。」
そんな、何気ない日々の夕暮れどき。
お日様も赤くなって、二人を照らす…
<あとがき>
は、恥ずかしい奴だな俺(笑)
なんか、日記のようなシリーズと化しているが、
まぁ、それもよし。