さて、今日は初めての講義の日である。
ここの講義の教授はちょっとは有名な人で、今まで調査の為に海外にいたのだそうだ。
そんなわけで5月も半ばというころになって初めての講義となった。
「失礼します。」
席に座ってぼんやりと外を眺めていた僕は、その声に振り向いた。
「えっ?セリオ?」
そこにはセリオが座っていた。
「はい。」
「ん?そんなに珍しいか?」
答えは2つ返ってきた。セリオの隣に長髪の男が座っている。
「い、いや、何でセリオがここにいるのかと思って…」
ちょっと動揺していた僕は正直に答えていた。
「ん?ん?あっ!お前もセリオを持ってるな?!」
(ドキーーン!)なんでわかるんだ?!
「ふふふ、隠すな、隠すな。なぁセリオ?」
「はい。」
終始ペースを取られつつもその後はいろいろと話した。
性格は違うが僕と同じタイプの人間みたいだったから話もあった。
帰り道、僕はさっきのことを思い出しながら歩いていた。
メイドロボを連れて来ていることについては、
「何か言われたってバイクと同じだっていやぁいいのさ…ちっとヤだけどな」
と、いわれた。そうゆうものだろうか?
「それに、な…」
「え?」
「俺が帰るまで、こいつは部屋で一人で俺を待ってるんだぜ。何か、可哀想だろうが」
そう言ってテレながらセリオをぐりぐりとなでる。セリオは困ったような、うれしいような表情を浮かべていた、様に僕には見えた。
その一言が、僕の胸に突き刺さっている。
考えてみれば、僕はまだセリオをどこにも連れ出してない。
昼間のうちに買い物に出かけるぐらいしか、セリオは外出していない。
それに昼間は、僕は学校があるからいつもセリオは一人だった。
「はぁ…」
何度目かのため息…
ふと、目の前を横切る桃の色…
見上げると、そこには桜の木があった。
「さくら、か…」
そう言えば、僕はお花見という物をしたことが無かった。
「……よし!」
「ただいま、セリオ」
「は〜い…お帰りなさい、マスター。」
いつもの様にセリオが迎えてくれる。
いつもの様に嬉しそうにセリオが迎えてくれる。
そうか、だからセリオはうれしそうに僕を迎えてくれるのか…
「ありがとう、セリオ」
そう言ってセリオを抱きしめる僕。不思議と、自然にそうしていた。
「?、マ、マスター?」
わけがわからない、といった風のセリオはそんな慌てた声を出す。
「まぁまぁ、しばらくこうさせてよ…ところで、今度の週末なんだけど…」
<あとがき>
今日、サクラを見ました。
春だなぁとおもいました。
セリオとお花見いきたいなぁ。
そんなことを考えて、書きました。
「でも外雨じゃん」
…だめっぽいなぁ(笑)