夕食の後、ぼんやりとテレビを見ていた僕はふとそのことに気がついた。
「ねぇセリオ」
「はい、何でしょうか。」
ちょうどお茶を持ってきてくれたセリオを呼び止める。
「うん、聞きたいことがあるんだけど・・・(ずずぅ)・・・うん、おいしい」
「ありがとうございます。」
律儀というかなんというか・・・
「ま、すわって」
「はい。」
テーブルの向かいに正座するセリオ。
「聞きたいこととはなんでしょうか?」
「うん、セリオって衛星放送の受信ってできるのかい?」
「はい、サテライトシステム用の衛星はBSとしての機能も持ち合わせていますから可能です。」
さすがセリオ。即答である。
「少々お待ちください。」
そう言って立ち上がるとテレビとビデオの裏に回る。
「このテレビとビデオでしたら接続可能です。」
あ、そうか。受信するだけじゃだめだ。出力できないと意味がない。
「今なにやってるのかなっと、ちょっと待って・・・・・・アニメでお願い」
「はい・・・・・・ZZとりゅうないとが放映中です。」
「ZZはどのあたり?」
「『吐き出すものなど・・・ない!』というあたりです。」
うおっ!みてえ!!って物まねうまいなセリオ。なんか違う気もするが。
「よし!早速頼むセリオ!!とりあえずテレビにつないでくれ」
「わかりました。」
そう言うとセンサーのほほの部分とテレビをコードでつなぐ。
「ビデオ2につなぎました。もう見れます。」
「わかった」
チャンネルを変えるとあの美しい機体が真っ二つになっていた。もう終わるな・・・
「セリオ、この次は?」
「このチャンネルですと、さいばあFぜろです。」
「ん、じゃこのままで・・・」
で、木星に行ったりもしたわけだけど、さっきからどうも落ち着かない。
いや、理由はわかっているんだが・・・
「・・・セリオ」
「はい。」
「そう見つめられると落ち着かないんだけど・・・」
そう、さっきからテレビの隣に座ってじぃぃぃぃぃっとこっちを見てる。
精神衛生上非常によろしくない。
「こっちきなよ」
「ですがこのケーブルは50cmしかありませんのでこれ以上は動けません。」
何だよそのケーブルは。新手の嫌がらせか?
「じゃせめて横か後ろ向いてくれる?」
「・・・・・・・・・・・・・・わかりました。」
そう言って後ろを向くセリオ。すご〜〜〜〜〜くさびしそうに。
それに何だその『間』は。ひきょうだぞセリオ!(爆)
「セリオ、もう衛星はいいからこっちで一緒にNHKすぺさるでも見ようよ」
「はい。」
何かうれしそうなセリオと、何か腑に落ちない僕。
「まぁ、衛星はまた今度でいいや。」
こうして今日も過ぎて行く。
<あとがき>
というわけで3話目です。
某所において「ケーブル物を書く」といったので・・・
でまぁネタ的に出来たのでさっと書いてみました。
ちょっとノリが違うような気もしますがまぁよし(笑)