小樽水上オルゴール堂シリーズ・番外編
「すいみんやく」
(Episode:HM−13b4・芹凪、HM−13f375・美菜子(ToHeartオリジナルキャラ)
/連載SSシリーズ1作目・番外編第5話)


 ある日の事。私が街にお買い物に行った帰りに、とある古本屋さんのそばを通りがかると、お店からミナちゃんが出て来ました。
「あら、ミナちゃんお買い物?」
「あ、芹凪姉ちゃんだ〜」
 見ると、ミナちゃんは何やら大きい紙袋を抱えています。
「何買ったの?」
「うんとね・・・『宗教分類に見る人類分類学』だって」
 ミナちゃんは、紙袋の中身を確認しながらそう言いました。
 何か、とても難しそうな内容のタイトルの本です。
「・・・ミナちゃん、何かお勉強でも始めたの?」
「ううん、違うよ〜。これ、睡眠薬なんだ」
 そう言って、ミナちゃんはあははと笑っています。
「すいみんやく? それってどういう事?」
「ま、まあ細かいことは気にしないで〜。あ、そうだ、せっかくだから兎屋のお汁粉食べに行こうよ〜」
 ・・・何か。うまく答えをはぐらかされちゃったみたいです。
「うん、別にいいけど・・・」
「おし、そうと決まったられっつご〜!」
 そう言ってミナちゃんは、私の背中を押して歩き始めました。
 ・・・でも、本が睡眠薬って、どういう事なんでしょう?


 夜、9時頃。
 私は、ベッドに寝転がると、早速今日買って来た睡眠薬の効果を試して見る事にした。
「え〜っと、何々?
 『古来より、人類は想像を絶する自然現象や天変地異を見て、
 それを何か目に見えないものの仕業だと考え、恐れていた。
 そして、それを敬い奉る風習が現れ、やがてそれが宗教の始まりと・・・』
 ・・・す〜〜〜〜〜〜」

 睡眠薬の効果はばっちり、効果覿面だった♪

〜 おしまい♪ 〜