・終章「事の顛末」・
それから数日後。
いつも通り、6人は部室の方に集まっていた。
「・・・にしても、特におとがめ無しですんだのは、幸運としか言い用が無いわよね」
知美の言葉に、全員が頷く。
結局、2日も学校を無断欠席した事になった6人だが、特にその理由を聞かれる事も無く、結局ただの欠席扱いにされただけで終わったのだ。
「綾乃嬢、故障の方は何とも無かったでござるか?」
「あ、うん、大丈夫。あれなら自力で直せるから」
しかし、かなり無茶をやった為、6人もダメージが少なからずあった。
特に、綾乃は何時の間にやられていたのか左腕に障害が発生していて、宗一郎は片桐と闘った時の傷が予想以上に大きく、今でも包帯を巻いている。
また、ユイは手首を縛られた時の傷がまだ残っていた。
「そう言えば、例の片桐・・・って言ったっけ?彼、学校には来てるの?」
「いや、来てないよ」
知美の問いに健が答える。
「オペレーションDの方も静かなものだよ。あれ以来、例の宇宙ステーションとの連絡シャトルの発射基地の修復に追われているみたいだし」
「帰り際に秋田先生、全部のミサイルをばらまくんだもんな〜」
そう。帰り際、「止めを刺しておかんとな」と言いつつ、秋田は「時風」に積載されていた残りのミサイル全てを基地に向けて発射し、基地は壊滅的被害を受けたのである。
「あれの報復・・・って、やっぱ有るのかな?」
宗一郎がぼそっとつぶやく。
「さあねぇ」
「ま、あったとしてももう一度たたきつぶすだけの話だけど」
「ねえ、徳川君?」
帰り道。いつものように、桜街道で他のメンバーと別れた後、家への道を歩いている時、ユイが宗一郎に話しかけて来た。
「ん?どうした?」
「あのね、この前さらわれてからなんだけど・・・」
「うん」
「・・・その・・・超能力、何かある程度は自由に操れるみたい」
「・・・は?」
ユイはついっと手を伸ばし、側に落ちていた石を指差した。と、石が勝手に転がり出す。
「・・・ホントだ・・・」
呆気に取られる宗一郎。
「昨日、お風呂に入っている時に気がついたの」
そう言って、ユイは不安そうな表情をする。
「・・・また、狙われるのかな・・・」
「・・・その時は、また守ってやるさ。安心しな」
宗一郎は微笑むと、ユイの肩をぽんぽんと叩いた。
「・・・とくがわくん・・・」
ユイは潤んだ目を向けて、少し何か考えているようだったが、意を決したように話しはじめた。
「あ、あのね、お願いが有るの」
「ん?何だ?」
「あの・・・その・・・徳川君・・・」
ぽすっ。
そのまま、ユイは宗一郎に抱きついた。
「ゆ、ユイちゃん!?」
「・・・お願い・・・もう、友達じゃ嫌・・・私・・・徳川君の事・・・好き」
「・・・・・・」
「・・・・・・」
「・・・オレもだ。好きでも無いのに、こんなことは出来ねえよ」
夕焼けの風景の中。抱き合った二人の影が長く長く伸びていた。
もう間も無く、季節は、夏。