「40番地商店街一部改装記念」兼

「喫茶室「夕凪」200HIT達成記念商品」として・・・贈ります。


きっかけはココネの何気ない一言からだった。

「そば茶っておいしいねー。ココネ」

「うぜんの国(山形県)ならまだありますよ」

「『うぜん』か・・・行ってみる?ココネ!」

ココネには4日間の休暇を取ってもらった。

 

 

 

海面が上がったせいで、鉄道も姿を消しつつある。

新幹線も今は走ってない。

今は、速さを求める時代じゃないものね。

でも、北へ向かう列車はまだたくさん走っていた。

寝台特急。

昔、多くの人があこがれた列車。

これに乗って、目指すは『羽前の国・山形』です。

「さあ、行こう?ココネ!」

 

ヨコハマ買い出し紀行番外編
「やまがたそば食い紀行」

 

・・・御乗車お疲れ様でした。まもなく終点の山形です。

   みなさま、お忘れ物のないようお手回り品をお確かめください。

   乗り換えの列車のご案内を致します。仙山線快速・・・

車掌のアナウンスが到着を告げている。

「やっとついたね!」

「そうみたいですね」

北のターミナル上野駅から12時間。

山形駅。

「ココネ!雪だよ!」

もう3月も半ばだが、雪が降っている。

それに、やっぱり寒い。

厚着をして本当によかったと思う。

こういう時にココネは私を助けてくれる。

「ね。やっぱり寒いですね」

「うん。ありがとう!ココネ」

 

 

「で、とりあえずどこに行こうか?」

実は全然考えてなかった。

「山形に行く」事だけが頭の中。

どうしよう・・・。

「じゃ、そば、食べに行きましょうか?」

「ココネ?」

「実はヤマガタは行った事あるんです。驚かそうと思ったのですが・・・失敗ですね」

ココネがいかにも「失敗」って顔してる。

でも、助かった。ふう・・・。

 

 

連れていってもらったのは、山沿いの一軒のそば屋さん。

昔は、普通の家だったそうだ。

「はい。いらっしゃいませ」

おかみさんが迎えてくれる。

「これ、そば茶なんですね」

「そうだよ。昔からヤマガタはそばの町だからね」

「この『田舎そば』っていうのは?」

「お客さん、食べてみるかい?ちょっと好き嫌いがあるけどね」

「ココネはどうするの?」

「私は『板そば』を」

「普通のね」

「はい!」

「じゃあ、私は『田舎そば』を」

「はい。承りました」

「アルファさん、田舎そばにしたんですか」

ココネがちょっと心配そうに聞く。

「昔から『お楽しみ』に弱くってね。つい・・・」

「アルファさんらしいですね」

奥の厨房からリズミカルな包丁の音。

もうすぐ食べられるヤマガタのそば、なんかドキドキしてきた・・・。

 

 

気持ちの高鳴りがオーバーヒート寸前にそばがやってきた。

「はい。お待ちどうさま!」

「ありがとうございます。さあ、食べ・・・!!」

えっ!これが「田舎そば」なの〜?

まず、びっくりしたのがそばの量だった。

普通のそば屋のざるそばの2倍以上はある。

それに、すごく太い。

田舎の素朴さが、そのまま板の上に乗ってるよう。

「アルファさん、びっくりした?」

「そりゃあ・・・ってココネ知ってたんでしょ?」

「えっ?・・・まあ・・・食べてみて下さいよ、ね」

「うん・・・」

とりあえず、一口。

「・・・おいしい!」

手打ちらしい味。ひさしぶりに本物の味にあったような気がした。

「よかった〜」

ココネもほっと一息。

出された板そばは二人ともきれいに食べたっけ。

 

 

 

「ごちそうさまでした!」

「ありがとうございました!また来て下さいね」

おいしい物を食べたせい。足が軽い。

「ココネ。これからどうする?」

「スキー、行きましょうか?」

「スキーね。ひさしぶりだな〜」

「蔵王が近いですよ。」

「そうなの?じゃあ、決まり!」

「温泉もありますしね」

私たちの旅は始まったばかり。

 


<あと書き>

Holmes金谷さん。40番地商店街改装おめでとうございます!

記念に作った作品(のつもりらしい)です。

 

ついに「番外編」にまで手を染めてしまいました。

番外編なので、二人を山形まで連れていってしまいました。

作品(?)中にでてくる「そば」は実際もすごくおいしいのです。

山形は隠れたそばの名産地でもあります。

さて、二人の道中記。一体、どうなるのでしょうかね・・・(^^)←無責任だな〜