− おまけ −

 部屋に着いたオレは、取り敢えず荷物をおろすと、座布団に座りこんだ。
「ふぅ〜・・・」
 しかし、初めてのスキューバダイビングは、流石に疲れた。
 早い所温泉でも入ってのんびりするのがいいだろう。
「浩之さん」
「おう、セリオ・・・って、セリオ、もう風呂の準備か? 早いなぁ」
「いえ、あの・・・」
 ん?
 何やらセリオが言い淀んで居ると。
「あ、あったあった〜♪ うーん、眺めもいいし、最高ね〜」
 部屋の奥の方から綾香のそんな声がした。

「おーい、綾香、何があったんだ・・・って、何だぁ!?」
「あ、浩之、ほらほら、露天風呂よ♪」
 そう、綾香の指差す所には、小さいながらも露天風呂があった。
「・・・ここ、ただの客室だよな?」
「そう。そして、このホテルの売りは、客室に露天風呂がそなえてある事。支笏湖がよく見えるわよ〜」
「・・・なるほど」
 くいっ。
 と、その時セリオに袖を引っ張られた。
「ん? どした、セリオ?」
「それで、あの・・・浩之さんとご一緒に・・・このお風呂に・・・」
「・・・は?」
 一瞬あっけにとられた時、オレは、ふとスキューバダイビングをやる前の綾香の行動を思い出した。
「綾香、そう言えばお前、スキューバダイビングする前、セリオに何か吹き込んでたよな」
「あら、何の事かしら?」
 綾香はそう言いながらあちらの方向を向いて居る。
「・・・もしかしてお前、コレを知って居て・・・」
「だって、そうでもしないと浩之を引きずり込めないじゃない」
 う。
 読まれてる。
「それに、今さらお風呂一緒に入るくらいでどうのこうの言う仲じゃ無いじゃないの。諦めて私達と入りましょ」
「ちょっと待て。今、『私達』って言ったか?」
「あら、セリオとだけ入って、私はおみそ? ・・・ううっ、酷いわ・・・ぐすっ」
 ・・・・・・。
 前にはうそ泣きして居る綾香。断れば間違いなくこの後のオレの命がヤバい。
 後ろには既に風呂準備ばっちりのセリオ。コレも断れば後が恐い。
 しかし、考えように寄っては非常に美味しいシチュエーションではある・・・。

 そしてその後・・・・・・。

− 続かない(笑) −