「『太陽電池』で小咄一つ」
(Episode:HMX−12・マルチ(ToHeart)/掲示板掲載SSシリーズ・19)
「あ、浩之さ〜ん」
とある放課後。
昇降口から外に出ようとすると、オレはマルチに呼び止められた。
「よおマルチ、そんなに急いで、どした?」
「実はですねぇ、私、新しい機能を搭載してもらったんですよ〜」
・・・新しい機能?
「へぇ、凄いじゃん。で、どんな機能だ?」
「はいっ! バッテリーが無くなりかけていても、太陽の光さえ有れば、充電出来るんです〜」
「太陽の光だけで充電?」
「はい。えっと・・・何でも、太陽電池って言う物を髪の毛の中に埋め込んで出来る様になったらしいのですけど」
太陽電池を、髪の毛の中に。
マルチの髪の毛は、緑色。
太陽電池は、日の光で発電する。
・・・それ、もしかして「光合成」?