「7月13日はオカルト記念日」
(Episode:来栖川 芹香(ToHeart)/掲示板掲載SSシリーズ・1)


芹香先輩と不良マンドラゴラ(笑)
(このイラストはunziさんより頂きました。ありがとうございました。
以前頂いた、下絵バージョンはこちらです)

「へぇ、今日って『オカルト記念日』なんだ」
 オレがそう言うと、芹香先輩はこくこくと頷いた。
 ・・・しかし、「記念日」って事は・・・。
「何か世界的なイベントでもあるの?」
「・・・・・・」
「え? 世界中の各地で、降霊術や召喚の儀式が行われていますって?」
 こくん。
 芹香先輩は、『今日は記念日と言われるだけはありまして、1年のうちで大気中に魔力がもっとも満ちあふれる日なのです』と言った。
「・・・で、今日は何をやるの?」
 まあ、そう言うイベントの日だって事は、先輩も何かやるんだろうなぁ位の想像はつく。
「・・・・・・」
「え、この枯れた花を咲かせますって?」
 こくん。
「どうやって?」
 オレがそう言うと、芹香先輩はおもむろに懐から何かを取り出した。
「・・・花が咲いていた頃の写真、白くてまるい石が3つ、六○のおいしい水・・・」
 先輩は、まず、石を枯れた花の周囲に三角形を描くように置いて行った。
 次に、写真を細かくちぎると、その三角形の中にまんべんなく敷き詰める。
 最後に、何やら呪文を唱えながら、六○のおいしい水をかけて行った。
「・・・Δ・・・κ・・・η・・・」
 最後に、力強く(?)念を込める。
 ぼんっ!
 と、白い煙が上がったかと思うと・・・。
「おっしゃぁ〜! ふっかーつ!」
 ・・・花に目と口が付いた状態で復活した・・・。
「・・・先輩・・・これって・・・」
「・・・・・・」
「え、ちょっと呪文の構成に間違いがあったって? で、なにになったの、これ?」
「・・・・・・」
「はぁ・・・マンドラゴラ・・・ねぇ。これが?」
「おうおうおう! そこのあんちゃんよぉ! 『これ』は無いだろう、『これ』は!」
「やかましい」
 オレは、そばにあった除草剤をそいつにぶちまけてやった・・・。

− 終わり −