「大玉」を考える
(書いた日:1998/07/14)


 別に某所に対抗しようというわけではありませんが(笑)。
 「そう言えば大玉って軍事ネタだし、取り上げやすい題材だよな〜」と思いまして、考えて見る事に。
 ・・・職業柄か、何故か軍事ネタって割と強いんですよね、私って(苦笑)。

(ちなみに、資料を探して階段を降りた時に、天井に頭をぶつけたのはここだけの秘密(爆笑))。

 さて、大玉をじっくり見るとロケットが小さいのと大きいのが二つくっついたような形をしておりまして。
 この様な特徴的な形をしている「ミサイル」は、既に「登場アイテム紹介」で紹介した通り、「地対空誘導弾ナイキJ」です。
 この「ナイキJ」とはどんなものなんでしょう?

 昭和38年1月から、「ナイキアジャックス」と呼ばれる「ナイキJ」の前身に当たる物が、陸上自衛隊で装備されます。その後、39年4月からは装備はそのまま航空自衛隊に移され、昭和48年までに5個の部隊が編制されます。
 その間、当然装備も旧式化が進みますから、ナイキアジャックスの後継として、「ハーキュリー型」と呼ばれるナイキが導入される事になります。
 導入するにあたり、「核弾頭を搭載出来ないようにする」と言う改造が施され、それが「ナイキJ」として装備されて行く事になります。
 このタイプは他のナイキ装備国では見られない改造なので、「J」と言う記号を付けて(Japanの頭文字)、他と区別した訳です。

 なお、これの実弾の発射機訓練とテストは日本国内には射場が無いので、アメリカはニューメキシコ州のマックグレゴアー射場で行われるそうです。

 なお、そんなナイキJも旧式化が進み、昭和59年度には後継機種として「ペトリオット」が選ばれました。

 と言うような感じのナイキJですが、芦奈野先生はこれを見た事があるんでしょうね、きっと。私は残念ながら実物は見た事がありません。同じ「自衛隊」と言う名前を持っていても、「陸海空」はそれぞれ別組織として機能していますので。
 最後に写真と性能諸元を掲載して終わりましょう。

ナイキJ

・諸元性能
全長 約12.5m
重量 約4.5t
射程 約130km
速度 約マッハ3
燃料 固体2段
直径 約0.8m
誘導装置 無線指令誘導
・構成
レーダー 目標捕捉、目標追尾、目標測距、ミサイル追随
射撃統制装置
ランチャー
ミサイル
・制作 三菱重工

(参考資料:「自衛隊装備年間1992年版」朝雲新聞社発行)