・「アルファさんの日記帳」 1999年09月分・


図書館・2 投稿者:国産大豆  投稿日:09月30日(木)00時05分44秒

 美濃紙という和紙と薄く溶いた糊を使い、傷んだ和装書の裏打ち補修を
学びました。過去からやって来た本を出迎えて、手当てし、未来へふたた
び送り出す、そういう仕事です。
「次に直すのは五十年後か百年後か、そのときに居合わせた図書館員の役
目です。いずれにしても私はもういませんが、そうかといって、いま手を
抜くわけにもいきません」と穏やかに語る、老講師の笑顔。
 そうして、時を重ねていく本たちがいます。

 大変動と混乱の時代にあっても。
 ヒトの記憶とその智識を散逸することなく、しかるべき時機まで安全に
保管し、後世に伝えるために。

 ターポンは飛んでいるのかも知れません。

くろだいの季節 投稿者:  投稿日:09月27日(月)20時07分06秒

逗子と葉山の間にある小さな港の
くろだい釣りのシーズンもそろそろ終わりだよ。
水深が浅いから三浦半島のどこより早くおわっちゃうよ。
朝早く起きて、切り通しの短い坂を自転車で越えるのは
きついんだけど、
それももうちょっとしかできないと思うと、
なんだかさみしいよ。

台風 投稿者:とっぽ  投稿日:09月25日(土)10時18分25秒

第63話 私の場所 読みました.
アルファさんのきっぱり 始めて見ました.
気丈なアルファさん すてきでした.

台風18号で,被害にあわれた方々へ,
また,台湾大震災で,被害にあわれた方々へ,

たちなおるのは,大変だけど,頑張って立ち直って下さい.

野外音楽堂 投稿者:国産大豆  投稿日:09月23日(木)23時47分17秒

 という名の響きが好きだったりします。今日の東京は好天の一日。
 コンクリのベンチに腰かけて、空の高みを見上げながら。
 冷えた缶ビールと、眺めのいい音。
 こころが溶けて、ぐるぐるいい気持ち。
 少し早めだけど十五夜のお月見もできました。

ANOTHER RECORD  投稿者:国産大豆  投稿日:09月21日(火)00時29分50秒

 旧い友人から、便りが届きました。ジャンク屋で占領統治時代の輸出カ
メラを見つけたこと。分解してあちこち手を入れてみたら、何とか調子が
甦ったこと。くたびれた革のケイスには、前オーナーの手書きの名前が幽
かに読み取れたこと。
 手紙のおしまいは、前オーナーはこのカメラでどんな写真を撮ったのだ
ろうか、と結ばれていました。

 これまで、そのファインダー越しに覗かれた光景については、なにも言
えないけれど。これからならば、わたしにも見ることができるでしょう。

横浜じゃないけど横浜 投稿者:あきひと  投稿日:09月18日(土)01時28分28秒

はじめまして。
みなさん詩人ですね。
私の住んでいるところは田舎なんで
時々、この景色は横浜っぽいな〜
と、見る時があります。
横浜買出し紀行って妙にいいですよね。

(無題) 投稿者:ましゅまろ  投稿日:09月15日(水)02時17分29秒

急に海が見たくなった。もう日も変わった暗い夜。
星の光が地面を照らす。一人海まで歩いて行く。
真っ暗な空間の中で、一人砂浜にたたずむ。
波の音だけが静かに響く。何だか少しほっとした。
嫌な気分も焦りも何もかも、海が飲み込んでくれた気がした。

会話 投稿者:国産大豆  投稿日:09月13日(月)22時47分14秒

 江ノ島界隈の某定食屋にて。うまい鯵の叩きを食べながら、土地っ子の
姐さんと楽しいおしゃべり。いきおい観光用に再整備された岩屋洞窟の話
題に及ぶが、その演出過剰気味なサービスの是非については直截的な感想
を避け、言葉を選ぶ。
「昔そうであったみたいに、いかにも修験者が隠れ住んでいました、って
いうシンプルな、洞窟ありのままの景観を活かしたほうが良かった、とも
聞きますが」と、わたし。
「きれいになったんだけどね。一度見ちゃったら、もう一度来ようとは思
ってもらえないみたいなの」と、返す姐さん。
 むつかしいねぇ、と二人苦笑しつつ、しばし閑散とした通りを眺めた。

 姐さんは、自分の生まれ育ったこの土地を愛している。
 わたしもよそ者ではあるが、この土地が好きだ。

 これは、それだけの話なのだけど。

やさしいひと 投稿者:めぐみ佳  投稿日:09月13日(月)02時44分57秒

「私はやさしい人間だから」と自己申告する人の「やさしさ」を
あなたは信じられますか?

「俺っていいヤツだから」と言っている人の中に、本当にいい人を
見たことがありますか?

「さあ、私が癒してあげる」と手を広げる人の胸に、飛び込んでいく
勇気がありますか?

つまり、そういうことです。

くだらない争いは、誰の得にもなりません。

群舞 投稿者:国産大豆  投稿日:09月10日(金)21時13分31秒

 夕暮れ刻の港を歩む。赤トンボの群れが去り、フナムシたちが活気付く頃。
茶褐色の影が空をおおう。上げ潮の波間に、口々に交わされる軽やかなさえ
ずり。その鋭い目許。
 ふと。遥か高みを舞う数羽を除き、姿が消えた。
 カロン、カロン、カロリン。
 振り返ると、陸揚げされたヨットのマストに一羽ずつ、凝っとこちらをう
かがっている。映画のような光景。

ポンコツ 投稿者:国産大豆  投稿日:09月08日(水)23時53分27秒

 と呼んでしまっては、とおくにいる先代オーナー氏からお叱りを受けそう
です。軒下でこんこんと眠り続ける旧い老兵。初日を望む遠乗りに備えて、
ゆるゆると手入れを始めようと思います。いくらなんでも気の早い話で笑わ
れそう? でも見た目以上にくたびれていますから、この秋口から始めて、
きっとちょうどいいくらい。
 わたしはコイツと年を越します。

メイポロ 投稿者:国産大豆  投稿日:09月06日(月)22時23分08秒

 メイプルシロップのお湯割りにレモンの絞り汁を加えると、わたし流
メイポロの出来上がり。シロップの量はお好みで。琥珀色を楽しもうと
たっぷり入れると、とんでもなくメッチャ甘のアルファさん好みになり
ます。わたしは後悔済みなので、ごくごく控えめにしてレモンを多めに。
 メイポロってきっとこんなカンジなのかなぁと、ヨコハマ気分をいっ
とき楽しむにはよい飲み物です。

「しましまのごろごろ」扉頁で、アルファさんがカップに溶かしている
広口壜の中身は、メイプルシロップというよりは蜂蜜の粘度に見えます。
するとこれは蜂蜜レモンなのかしらん。でも冷蔵庫に常駐しているメイ
プルなら、取り出してもしばらくはこんなふうにタプンとするのかも。
 ごちそうさま。

お祭り 投稿者:国産大豆  投稿日:09月05日(日)22時56分19秒

 今日は御霊神社の例大祭。といっても近隣の人しか訪れない神社です
から、そう大きなものではありません。いつもは閑散とした境内も、露
店めあての子どもたちで賑やかなこと。みんなきっと、夏休みの延長気
分でいるんでしょうね。
 境内を横切りつつ、「賑やかでよろしいですねぇ」と社殿にご挨拶。
わたしはとくべつな信仰を持ちませんが、路端のお地蔵さまにも会釈す
るクチなのです。

 東京はこの数日でずいぶんと涼しくなりました。ラムネ屋さんの氷柱
もさっぱり溶けない様子。 そうして秋がやってきます。

09/04/99 投稿者:国産大豆  投稿日:09月05日(日)01時58分30秒

 午后から紅葉坂の神奈川県立図書館で調べもの。吹き抜け天井の大きな
窓から覗く木々のみどりは、まだ夏の名残をとどめているものの、蝉たち
の季節はもうお仕舞い。紅葉坂から野毛坂へとぬけて市立中央図書館へ移
動中、スクーターに乗ったアルファさんがトテトテと下りてきそうな坂道
を見かけ、楽しくなる。
 中央館はいつ来ても人でいっぱいだ。わたしは県立館の落ち着いた雰囲
気のほうが好き。帰り道、野毛坂経由で桜木町方面へと下る。日ノ出町か
ら野毛町にかけての商店街は、地元民に交じってのぶらぶら歩きが楽しい。
 夕凪の時代には、紅葉ヶ丘のほうに賑やかな商店街が広がっているらし
いけれど。

 ぽつぽつと、雨。
 静かに、容赦なくコンクリート舗装路面の上へ這い上がってきた、江ノ
島の満ち潮を思い起こす。そして、元には戻らなかった日のことを。

夏の音 投稿者:国産大豆  投稿日:09月03日(金)22時09分43秒

 ステンレスの水筒に、よく冷えた麦茶をトクトクと注ぎ、氷を少々。
 カロン、カロン、カロリン。製氷皿の氷だからお昼には溶けてるけど、
この音が好きです。まだしばらくは楽しめるかな。

図書館 投稿者:国産大豆  投稿日:09月03日(金)00時07分39秒

 ときどき、夕凪の時代の図書館に、こころを馳せる。
 実用書は大人たちの日々の生活に。図鑑類は子どもたちの勉強に。
 それぞれにきっと役立っているはず。
 移動図書館は、昔日の賑わいを甦らせているだろうか。

夕餉の仕度 投稿者:国産大豆  投稿日:09月01日(水)18時12分22秒

 ふぅ。秋口に入っても、この残暑です。ま、こうして麦茶も美味しい
わけだし、良しとしましょう。つよい南風のおかげで洗濯物もよく乾き
ました。今日の夕飯は、きのう江ノ島の帰りに買った鰯の丸干しと、釜
揚げシラスをのせた冷奴です。

秋の足音 投稿者:Holmes金谷  投稿日:09月01日(水)03時55分04秒

ふと空を見上げると、もう既に真っ赤に染まったトンボの飛ぶ季節になった。
今年は夏が異様に暑かった分、秋の足音も遅いらしい。
のんびりとやって来る秋の足音に、ふと旅情に駆られる。

秋の北海道も、悪くないかも。

カロン、カロリン。 投稿者:国産大豆  投稿日:09月01日(水)02時34分23秒

『レファレンス資料の解題』講習も本日で終わりです。中国の古典に出てくる
「もののけ」ばかりを集めた妖しい事典をシュミで選び、レポート提出。思わ
ず書誌解題よりも評価部分に力が入り、なんだかバランスが悪くなっちゃった
けど、いいんだ、これはこれで。
 さて。これで午后は晴れて自由となりました。鶴見から大船へ移動。ホーム
ではスバヤク鎌倉大船軒の駅弁「湘南さざえの浜ごはん」を買い求め、東海道
線に乗り換えて藤沢へ。江ノ電に乗るのは、久しぶりのことです。車輛は新し
いタイプだけど、ホームの佇まいはどうやら変わりません。この鉄道は民家の
軒先をかすめるようにガタゴト走る、ローカル感が好き(湘南モノレールの不
思議な視座も捨てがたいけれど)。あたりに松の木がちらほら見えてくると、
自然とこころも弾みます。午后になっても洗濯物を仕舞わないウチが多いのは
何故? 潮風は大丈夫なのかなぁ。

 江ノ島へと続く細い通り。ありゃりゃ、なんだか今ふうのマンションが増え
たよね。でも海苔ようかん屋さんもスマートボール屋さんも貝殻細工の土産屋
さんも、みなさん健在でほっとしました。クラクラしちゃう炎暑の中、とおく
に富士山のシルエットを眺めつつ、橋を渡り、島の防波堤へ。ほら、カロン、
カロリンと、まるでドアベルのようなあれは、ヨットのマストを索具が叩く音。
 もう笑顔がとまりません。波の音。潮の匂い。夏の陽射。

 こうして、わたしの時間のはじまりです。